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 【剣道日本連載】だからこどもが増えている!
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小曽根寺内剣友会指導責任者。41歳、六段。小曽根剣友会にて剣道を始める。井関食品(株)営業部長。大阪府剣道連盟未来構想委員会員、少年部委員。大阪府剣道道場連盟常任理事。少年剣道を考える会事務局
 



第19回

 
ほかの習いごととの
「かけ持ち」も認められるように
 

 私たちの会には、約180人が登録をしています。中には週に1回だけ通う子どももいますので、平均して一回の稽古に来ているのは100人弱です。それだけの数がいますと、「やめたい」と相談に来る件数はゼロではありません。ひと月にひとりかふたりはいます。

 まずは学年担当の役員さん(先生ではありません)が相談に乗ります。それで納得ができなければ、担当の先生が相談を受けます。私たちの会では学年ごとに数名の先生を“担当”としてつけていますので、まずは毎回練習をよく見ているその先生が悩みを聞くのです。それでも、という場合は私も加わります。
「やめたい」という理由は実にさまざまです。「他の習いごとや受験勉強が増えてきて続けるのが難しくなった」「痛い」「しんどい(疲れる)からイヤ」といった理由や、友達との関係について相談を受けることもあります。

 学習塾とのかね合いに関しては、「週1回や2回でも剣道を続けてみたら?」と言っていて、実際にそうしている人も多くいます。ほとんどはそれで解決していて、著しく学校の成績が落ちることはほぼありません。もしそんなことがあれば「塾を選んでみてはどうですか」と言っています。塾はたくさんあるのですから。

 たしかに、パワーのある子どももいますから「痛い」という相談もよくあります。ただ、本人も相手を痛めつけようとは思ってはいませんし、「痛くないように打て」と指導することはできません。それでも、「君の打ちは痛い」ということを知らせるために、パワーのある子ども同士で打ち込み稽古をさせることもあります。痛さを身をもって知れば、徐々に力加減も分かってくれます。

 先に述べたように、学年担当の親、低学年の先生、私、という順序で、「もう一度考えてみて」とお願いしていますが4回目ともなればムリに引き留めません。最初のうちは本人の悩みでしょうが、二度目となれば本人+親、三度目になれば家族全体で「どうしようか」と考えたうえで相談を持ちかけられることが多くなります。そこまで全体で考えて決心したことなのであれば、それは尊重するべきことです。大切なことは、つねにいっしょになって考えてあげることだと思っています。

 ただ、私たちの会では入会時に、竹刀や道着・袴、防具、と順次プレゼントをしています。そのときに「3年間はがんばれるかな」と確認を取り、親子でそれに約束をしてもらっています。ですので「あれだけ決心したのに、なぜなの」とこちらから聞くことができます。そういう意味でも最初の約束が肝心です。そして、4年目以降になるとほとんどやめる人は出てきません。

転がす稽古自体が
減っているけれど


「選手コース」と「育成コース」と分けているのが、当会の特徴のひとつですが、大会などで上位を目指す「選手コース」の子どもであっても、ほかに習いごとをしている人はいます。学校が終わってすぐ水泳教室に行き、夜の稽古に参加する子もいます。また、稽古は週に1回は必ず休みにしていますので、その休みの曜日に水泳に通っている場合もあります。そのほか、そろばんや習字を習っていたり、放課後すぐに学習塾に行っている子どもも多いのです。週末は野球やサッカーをしていて、平日は剣道をしているという子もいます。

野球やサッカーのように、そのときにしかできないスポーツはたくさんあります。剣道の場合は成人になっても、高齢になっても始めることはできますが、受験勉強はそう簡単にはいきません。一回しかない人生なのです。「剣道にかけたい」という子は選手コースに入ればいいと思いますが、「両方ともやりたい」という人はそれを受け入れてもいいと思います。「剣道しかやってはいけない」という言い方も、絶対にしていません。「先生に言われたから○○をやめさせられた」というのは、お互い気持ちのいいことではありませんし、剣道をやったら幸せになるという保証はどこにもないのです。

剣道を小学校の6年間やっていて、中学・高校と中断していたとしても構わないと、私は思っています。ただ、剣道以外のことをする場合は、「中途半端にやめることはゆるさないよ。そんな気持ちを持っているのならば絶対に剣道はやめさせない」と、それだけは徹底して言っています。

中学校に進んでも、そこに剣道部がなかったから他の部活動をしている子も少なくありません。小学生のときは週に4、5回剣道をしていて、中学校に入ってからは週に2回になったとしても、私は気にしません。学校の部活動を軽く見てはいけないと思います。

とくに中学生は多感な時期です。親もとを離れることによる影響はもっと深く考えるべきではないか、と思います。私たちの会からも一時期、遠方の私立中学校に数人の子どもを送り出したことがあります。そういった経験などを経て、現時点で感じている思いですが、そのことにはあまり利点は感じられませんでした。仮にその中学校で全国優勝をしたとしても、遠くへ行かせて良かったとはまだ思えないのです。しかし、そこに行く縁を つくったのは私ですから、これは私の責任だと思っています。

だから現在、私は「オール大阪」という考え方を浸透させていきたいと考えています。大人が連携して信頼関係をつくり、小・中・高・大学・社会人で連携していけば、安心して剣道ができる環境をつくってあげられると考えています。その一環として、平成24年の夏、大阪府剣道連盟が主催をして、小学生から高校生までを集めた第一回の暑中稽古を実施しました。大阪府警で選手をしている皆さまも午後には会場にかけつけ、稽古をつけてくださいました。

「県外に行ってがんばりたい」という子を止める必要はないと思います。ですが、「地元でがんばろう」と思えるような環境を早くつくらなければいけません。地元の中学、高校、大学がいちばん行きたい学校である。そういう環境ができれば、あえて遠いところに行かせる必要はなくなるのですから。私たちの住む大阪は東京に次ぐ都会です。むしろ遠い地域から大阪に来たくなるような学校づくりを考えるべきではないかと考えています。

 

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